FC2ブログ

愛宕塚古墳【栃木県壬生町】

⚫︎愛宕塚古墳

愛宕塚古墳は黒川左岸の台地上に存在している前方後円墳です。上の画像では右奥が後円部、左の愛宕神社が建立されているほうが前方部となります。

説明板。墳丘全長は77mと考えられてきましたが、平成29年度の調査で82mであったことが判明しています。(壬生町史では全長64.5m、後円部径34m、高さ5.5m、前方部幅46m、高さ6.5m)

前方部に上がらせていただき後円部側を撮影。後円部に比べて前方部のほうが高さがあるのが特徴的です。愛宕神社によって前方部墳頂は削られているそうですので、築造当時はもっと高さがあったのかもしれません。

後円部墳頂から前方部。

愛宕塚古墳については壬生町教育委員会が主体となって平成29年度から調査が進められています。平成30年度には石室の位置、周堤外の周溝が全周するのかの確認、葺石・埴輪列の確認を目的として調査が行われ、2018年9月8日に現地説明会が開かれました。
説明会は数日前に新聞各社が報道していたこともあり、午前の部だけで140名ほどがいらしていたようです。予想していたよりトレンチが多く掘られており、とても充実した現地説明会でした。

こちらは前方部墳頂から南側にかけて掘られた第3トレンチを、墳頂から見下ろして撮影したものです。墳丘2段目の斜面から葺石が確認されています。

墳丘2段目の斜面は下側が小さな石を石垣の如く積み上げた急斜面で、上側は勾配が緩やかになり大きな石が用いられています。このように墳丘斜面の角度が途中で変わるのは非常に珍しい特徴だそうです。

こちらは後円部の墳頂から南側に向けて掘られた第5トレンチ。こちらも第3トレンチと同じように葺石が検出されているほか、墳丘1段目と2段目の間の基壇部から円筒埴輪列も検出されています。

このほかの基壇部から出土した円筒埴輪は、いずれも盛り土に下半分を埋められた状態で見つかっていますが、なぜか第5トレンチ出土の円筒埴輪は盛り土から浮いた状態で検出されています。築造後に土を追加で盛り、そこに埴輪を立てたようです。理由は研究者の間でも不明で、今後の課題とのこと。

こちらは後円部正面に掘られた第4トレンチ。こちらからも状態の良い葺石が検出されているほか、墳頂部から落下した埴輪片も確認されています。

こちらは後円部北側に掘られた第6トレンチ。第3、4、5トレンチに比べると葺石の状態が悪いため、早い時期に崩落したものと見られています。基壇部から円筒埴輪の樹立が確認されており、これとは別に翳形埴輪も出土しているそうです。

ここまでは墳丘のトレンチを紹介しましたが、こちらは前方部南側の周堤上に掘られた第9トレンチです。円筒埴輪が樹立していた中から、盾持人物埴輪が見つかっています。

こちらは後円部北側の周堤上に掘られた第8トレンチ。現在残っているのは円筒埴輪で、この右隣には盾持人物埴輪が立てられていたようです。

こちらは第8トレンチの西隣に掘られた第6トレンチ。画像奥の木の根の向こうが周堤で、さらにその奥には墳丘が見えます。このトレンチでは周堤上から円筒埴輪列が確認されたほか、周堤外に掘られた幅3mほどの周溝(トレンチの黒い土の部分)が検出されています。

こちらはくびれ部北側の周堤上に掘られた第7トレンチ。円筒埴輪の樹立が確認されていますが、画像中央の残りが悪い埴輪は盾持人物埴輪だそうです。

こちらは前方部正面、周堤から外側に向けて掘られた第1西トレンチ。第6トレンチと同様に、こちらからも黒い土が流入した周溝が確認されました。これによって周堤外の周溝は全周すると思われるようです。

現地説明会で展示された愛宕塚古墳出土の埴輪たち。盾持人物埴輪はかつて周堤上で露出しているのが確認され、急遽回収されたものだそうです。

こちらは今回の調査で出土した埴輪たち。第7トレンチ出土の盾持人物埴輪は基部と盾の一部、鼻から眉、両耳、右耳のピアスが見つかっています。第9トレンチ出土の盾には、当古墳出土のほかの盾持人物埴輪には見られない線刻が刻まれているため、単なる盾形埴輪である可能性もあるそう。
周堤上から複数の盾持人物埴輪が出土したのは栃木県内でははじめてのことであり、これだけ大きな前方後円墳の全貌が解明されたのも県内初のことだそうです。今年度調査の目標であった石室の手がかりが掴めなかったのは残念ですが、それは今後の調査に期待したいですね。
※内容に誤りなどございましたら、お手数ですがコメントにてお教えください。

○探訪日 2018.09
○参考資料
「平成30年度 史跡『愛宕塚古墳』発掘調査の成果について」
「壬生町史 資料編 原始古代・中世」壬生町史編さん委員会
説明板
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

ぺん

神奈川県民、20代男。
2015年に古墳の魅力に取り憑かれ、それ以降は暇さえあれば古墳巡りに出かけています。
Twitter→@pen_kofun

古墳検索

市町村別

条件別検索(更新中)

閲覧数