⚫︎牟佐大塚古墳

牟佐大塚古墳は旭川左岸の山麓に位置する径30m、高さ8.5mの円墳です。築造当時は径40m、高さ10m以上にもなったものと推測されています。
山陽道と河川の交わる交通の要衝に1基単独で存在。

岡山市教育委員会による説明板。

南側に向けて全長18.0mの横穴式石室が開口しています。
これは多くの横穴式石室が開口している岡山県内においても3番目の規模となり、こうもり塚古墳、箭田大塚古墳とともに「吉備の三大巨石墳」のひとつにも数えられています。

開口部から羨道部を撮影。長さ12.0m、幅1.8~2.4m。高さも2.0m近くあり立ったまま入室可能です。なお羨道床部にはヒカリゴケが生息しており、見学時は右手の石を伝って移動することとなります。

玄室内部を撮影。こちらも長さ6m、幅2.8m、高さ3.2mとかなりの規模があります。

これだけ大きな玄室ですが、奥壁も複数の石材を積むことなく巨大な一枚岩が用いられています。

玄室内部には浪形石を用いた長さ2.9m、幅1.6m、高さ1.5mの刳抜式家形石棺が残存。開口部側の側面には盗掘孔と見られる大きな穴が開けられています。

盗掘孔から石棺内部を撮影。

反対側から。全体的に風化を受けているように見受けられますが、蓋部には今でも縄掛突起も確認できます。身部は土砂に半分埋もれていますが、元から加工が甘かったのかやや歪な形をした印象です。

奥壁側から開口部側を撮影。

その場から左側壁を撮影。

右側壁。

玄室内部から羨道部を撮影。出土品などは知られていませんが、石室や石棺の形態から6世紀末の築造と考えられています。
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○2022.01撮影
○参考資料
おかやま全県統合型GIS
岡山市公式ウェブサイト
説明板
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